共用試験ガイドブック第18版
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139Ⅱ-2臨床実習の評価としての共用試験診療参加型臨床実習後客観的臨床能力試験(Post-ClinicalClerkshipObjectiveStructuredClinicalExamination;Post-CCOSCE)と呼称します。(1)概要①Post-CCOSCEは,医学教育モデル・コア・カリキュラムに準拠して行われます。学生が診療参加型臨床実習で十分な臨床能力を修得し,医学部卒業を許容できる臨床能力,換言すれば,卒業後の臨床研修を開始するにあたって安全・安心な医療を提供できる能力を修得できているかを,全国統一の基準で評価する試験です。一方では,国民・社会に対し,わが国のすべての医学部・医科大学が医師育成機関としての責務を全うしているかを評価されることにもなります。②医学生が卒業時点で修得しておくべき能力については,別項の「医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)に準じた臨床研修開始時に必要とされる技能と態度に関する学修・評価項目(第1.1版)」(本誌147ページ)に示しました。③臨床研修開始に際して,できなければならない項目を,医学教育モデル・コア・カリキュラムの内容に改変を加え,下記の14項目にまとめました。そして当面のPost-CCOSCEで測定する項目を□で囲みました。□で囲んだ項目以外に関しては,今後Post-CCOSCEの拡大に伴って取り上げることになりますが,現時点では各大学が自主的に実施する臨床実習後の評価として実施することが推奨されます。卒業時=研修開始時の臨床能力としてできなければならないこと1.適切な医療面接ができる2.適切な身体診察ができる①スクリーニング診察ができる②診断仮説に基づいた集約的身体診察ができる3.得られた情報・所見から適切な臨床推論ができる4.適切な症例プレゼンテーションができる5.問題点に即した適切な検査計画を立てられる6.得られた情報を統合し,診断・治療計画を立案できる7.臨床上の問題に対しエビデンスを収集できる8.正しい診療記録(カルテ)を記載できる9.患者の申し送りを行うことができる10.医療安全上の問題を報告・連絡・相談できる11.多職種のチームで協働できる12.インフォームド・コンセントを得ることができる13.基本的臨床手技を実施できる14.緊急性を評価し,適切な初期対応ができる139

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