共用試験ガイドブック第18版
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152(1)医師として求められる基本的な資質・能力1)プロフェッショナリズム医学生には、医師として求められる基本的な資質・能力の1つとして「人の命に深く関わり健康を守るという医師の職責を十分に自覚し、患者中心の医療を実践しながら、医師としての道(みち)を究めていく。」ことが求められている。 □選択肢が多様な場合でも適切に説明を行い、患者の価値観を理解して、患者の自己決定を支援できる。□診療参加型臨床実習において、患者やその家族と信頼関係を築くことができる。□患者やその家族のもつ価値観や社会的背景が多様であり得ることを認識し、そのいずれにも柔軟に対応できる。2)医学的知識と問題対応能力発展し続ける医学の中で必要な知識を身に付け、根拠に基づいた医療(evidence-basedmedicine )を基盤に、経験も踏まえながら、幅広い症候・病態・疾患に対応する。 □患者のプロブレムについて、自ら発見できる。□患者のプロブレムについて、重要性・必要性に照らして順位付けできる。□患者のプロブレムを解決する具体的な方法を発見し、課題を解決できる。□患者のプロブレムの解決に当たり、他の学修者や教員と協力してよりよい解決方法を見出すことができる。□適切な自己評価ができ、改善のための具体的方策を立てることができる。□患者のプロブレムに関する国内外の教科書・論文、検索情報等の内容について、重要事項や問題点を抽出できる。□得られた情報を統合し、客観的・批判的に整理して自分の考えを分かりやすく表現できる。□実習の内容を決められた様式に従って文書と口頭で発表できる。□後輩等への適切な指導が実践できる。3)診察技能と患者ケア臨床技能を磨くとともにそれらを用い、また患者の苦痛や不安感に配慮しながら、診療を実践する。 □病歴(主訴、現病歴、既往歴、家族歴、生活歴、社会歴・職業歴、システムレビュー等)を適切に聴取するとともに患者との良好な関係を構築し、必要に応じて患者教育を行える。 □網羅的に系統立てて適切な順序で効率的な身体診察を行える。異常所見を認識・記録し、適切な鑑別診断が行える。□基本的な臨床技能(適応、実施方法、合併症、注意点)を理解し、適切な態度で診断や治療を行える。□診療録についての基本的な知識を修得し、問題志向型医療記録(problem-orientedmedical record )形式で診療録を作成し、必要に応じて医療文書を作成できる。 □患者の病状(症状、身体所見、検査所見等)、プロブレムリスト、鑑別診断、臨床経過、治療法の要点を提示し、 医療チーム構成員と意見交換ができる。□緊急を要する病態や疾患・外傷の基本的知識を説明できる。診療チームの一員として救急医療に参画できる。□慢性疾患や慢性疼痛の病態、経過、治療を説明できる。医療を提供する場や制度に応じて、診療チームの一員として慢性期医療に参画できる。□患者の苦痛や不安感に配慮しながら、就学・就労、育児・介護等との両立支援を含め患者と家族に対して誠実で適切な支援を行える。教員・学生配付資料公益社団法人医療系大学間共用試験実施評価機構 20204 / 74152152

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