共用試験ガイドブック第18版
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262Ⅴ.共用試験の今後1.医学系共用試験(1)臨床実習前共用試験厚生労働省医道審議会医師分科会報告書の答申に沿って臨床実習開始前共用試験を公的化することにむけて法改正を検討中とのことであり,また,今年度は,厚生労働省より「OSCEの模擬患者・評価者養成及び評価の在り方に係る調査・実証事業」として予算が交付されたので,それに沿った諸計画を実施していきます。CBTに関しては,これまでどおりプール問題の蓄積と新陳代謝の継続,設問形式の検証と更なる設問形式の開発を行います。動画を含む視覚素材を付した設問,例えば医療面接や身体診察についての動画を示し,その適否を問う設問等についても,今後の検討課題です。臨床実習前OSCEについては,評価者認定講習会により,多くの評価者が認定されていますが,今後は,評価者のデータベースを整備して,派遣を容易にするシステムつくりが検討されています。公的化への対応における喫緊の課題は,医療面接用標準模擬患者の養成と,データベースの作成です。模擬患者養成のためには,大学における模擬患者養成人材の育成と,全国の模擬患者団体を組織化して新たな模擬患者の養成と標準化のための講習会を開催していきますが,同時に模擬患者養成のガイドラインの整備や模擬患者のためのテキスト作成なども計画中です。(2)臨床実習後OSCE診療参加型臨床実習後客観的臨床能力試験に関しては,2020年度からの正式実施を予定していましたが,Covid-19のパンデミックにより,当初の予定の大幅な改変を余儀なくされました。今後はCovid-19の状況をみながら,可能な範囲で正式実施を進めていく予定です。2019年度から開始された大学と臨床研修病院等の医師を対象とした評価者養成は今後も実施予定です。標準模擬患者に関しては,前述の医療面接模擬患者に身体診察にも協力いただく方向で検討中です。2.歯学系共用試験(1)臨床実習前共用試験CBT,OSCEともに,すでにこれまでの経験が蓄積されているため,今後も粛々と実施していきます。厚生労働省医道審議会歯科医師分科会では,医師分科会と同様に,歯学系においても公的化することが検討されていて,今後,公的化された場合でも,現状の全歯学部・歯科大学の実施形態はそのまま継承できると考えています。なお,機構に登録された医学系の医療面接模擬患者について,歯学系の医療面接に協力していただくことについても検討していく予定です。262

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