共用試験ガイドブック第18版
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教員・学生配布資料公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構(4)標準予防策米国CDC隔離予防策のガイドライン2007より抜粋翻訳した。なお、勧告されている標準予防策にはここに掲載した以外の事項もあることを留意すること。1)手指衛生□患者さんにごく近接した環境表面には不用意に触らない。□手指が眼に見えて汚れていたり、タンパク性物質で汚染されていたり、眼に見えて血液や体液で汚れている場合には、石鹸と流水で手を洗う。□眼に見える汚れが手指にない場合、あるいは目に見えた汚れを石鹸と流水で洗い落とした後は、以下の場面において手指を除菌する。アルコールをベースとした手指消毒薬を用いるのが望ましい。  (例)患者さんと直接的な接触をする前。   (例)血液、体液、分泌物、浸出物、粘膜、非正常な皮膚あるいは傷を被覆  したものに接触したあと。  (例)患者さんの正常皮膚に触れたあと(脈拍測定、血圧測定、あるいは患  者さんを持ち上げる、など)。  (例)患者ケアの間に、身体の汚染した部分から身体のきれいな部分に手を  移動させるとき。  (例)患者さんのすぐそばにあるリネン・物品(医療器具などを含む)に触  れたあと。  (例)手袋を外したあと。□クロストリディオイデス・ディフィシル(Clostridioides difficile)や炭疽菌に接した可能性がある場合は、非抗菌性石鹸と流水、あるいは抗菌性石鹸と流水で手を洗う。□装飾用マニキュアやつけ爪は、ICUや手術室などの感染に対してハイリスクの部署ではつけてはならない。それ以外の部署では、それぞれの施設の方針に従う。2)個人防護具(Personal Protective Equipment:PPE)使用の原則手袋・ガウン・マスクなどのPPEの使用にあたっては、以下の原則を遵守する。□これから行う医療行為で、血液や体液との接触の可能性がある場合は、PPEを使用する。□PPEを外す過程で衣服や皮膚を汚染しない。□患者さんの病室から退出するときには、患者の病室内でPPEを外し廃棄し、PPEを持ち出さない。3)手袋□これから行う医療行為で、血液やその他の感染性物質、粘膜、正常でない皮膚、正常でも汚染されている可能性のある皮膚(例えば便失禁や尿失禁のある患者さんの皮膚)との接触が予測できる場合は手袋を使用する。□患者さんあるいは患者さん周囲の環境(医療機器も含む)に接触したあとは、適切な方法で手指を汚さないように手袋を外す。なお、複数の患者さんに同じ手袋を用いてはならない。また、手袋を再利用してはならない。□汚染された身体の部分(例えば会陰部)から身体のきれいな部分(例えば顔面)に手指が移動するならば、患者ケアの途中でも手袋をかえる。4)ガウン□これから行う医療行為で、血液・体液・分泌物・浸出物・排泄物との接触が考えられるときには、皮膚や衣服が汚れることを防ぐために、その業務に適切なガウンを着用する。(例)対象となる患者さんに被覆されていない分泌物や排泄物があり、直接患者さんに接触しなければならない場合。□その患者さんの周囲から離れるときは、ガウンを外し、手指衛生を行う。なお、たとえ同じ患者さんにくりかえし接触をすることがあってもガウンは再利用しない。5)口・鼻・眼の防御□これから行う医療行為で、血液・体液・分泌物・浸出物あるいは排泄物がしぶきやスプレー状となる可能性がある場合は、口・鼻・眼の粘膜を守るためにPPEを使用する。マスク・フェイスシールド・ゴーグルを選び、またその業務にあわせてそれらを組み合わせる。(例)咳をしている患者さんに1m以内で医療行為を行う場合はマスクを使用する。13/8466666666

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