共用試験ガイドブック第18版
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教員・学生配布資料公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構Ⅳ.全身状態とバイタルサイン(注)全身状態の把握は診療の全過程を通して行われる。(1)診察時の配慮「Ⅱ.医療面接および身体診察、手技に関する共通の学修・評価項目」を参照。(2)医療安全□全身状態を確認すること、体温、呼吸、脈拍、血圧を測定することを事前に説明し同意を得る。□高齢者や日常生活動作〈ADL〉に支障のある方、意識障害、認知症、視力や聴力の障害がある患者さんに対し転倒予防など適切な対応をする。□診察を患者さんの安全に配慮した環境で行う。□血圧測定時、マンシェットの加圧で患者さんに苦痛、傷害を与えないようにする。□体温計の使用前または使用後にアルコール綿で清潔にし、体温測定時、体温計が体液等により汚染されていないように留意する。(3)第一印象□短時間で全身状態を推測する。□*緊急度・重症度、精神状態により異なる対応をする。(4)視診□体型・体格・発達を観察する。肥満、やせ、低身長、筋肉質など。*小児の場合は成長・発達の状況も把握する。□栄養状態を観察する。□身なりを観察する。清潔さ、化粧の状態や着衣の乱れなど。□体位・姿勢・動作を観察する。体位では、臥位・座位・立位など。姿勢・動作では、起立、歩行、着・脱衣の様子、麻痺や振戦、不随意運動など。(「Ⅷ.神経」および「Ⅸ.四肢と脊柱」を参照。)□呼吸状態を観察する。過呼吸、努力性呼吸、起座呼吸 など。(「(9)バイタルサイン 2)呼吸」を参照。)□顔貌を観察する。苦悶様顔貌、仮面様顔貌、満月様顔貌など。□皮膚を観察する。蒼白、黄染(眼球結膜を含む)、紅潮、チアノーゼ(口唇を含む)、刺青など。□浮腫を観察する。全身性浮腫、局所性浮腫。(「(11)下肢の観察」を参照。触診も併せて行うこともある。)□躯幹・四肢を観察する。変形、欠損など。(「Ⅷ.神経」および「Ⅸ.四肢と脊柱」を参照。)□眼鏡・補聴器・義歯・装具の有無を観察する。(5)意識レベル(6)触診□脈を触診する。頻脈、徐脈、不整、緊張など。(「(9)バイタルサイン 3)橈骨動脈の触診」などを参照。)□発汗の状態を把握する。乾燥、湿潤。□体表温を把握する。冷感、熱感。□表在性リンパ節を触診する。頭頸部(Ⅴ.頭頸部を参照)、*腋窩部(Ⅹ.基本的臨床手技【一般手技】(9)*乳房の診察を参照)、*鼠径部(Ⅶ.腹部を参照)。□*ツルゴール(皮膚の緊張性)の低下を評価する(7)臭い□体臭・口臭。アルコール臭、ケトン臭、尿臭、便臭など。21/8474747474

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