共用試験ガイドブック第18版
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教員・学生配布資料公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構□ Korotkoff音が聞こえなくなった値を拡張期血圧とする。ただし、Korotkoff  音が聞こえなくなっても10mmHgはゆっくりカフ圧を下げ、再度聞こえること  がないのを確認する。  (注)聴診間隙を確認する目的である。□ それ以後は急速にカフ圧を下げる。□ 30秒おいてもう1回測定し、2回の平均値をとって血圧とする。□ 同様に反対側の血圧を測定する。  (注)初診では必ず両側で測定する。□ 血圧値を正しく述べる。単位mmHgをつけて、収縮期血圧/拡張期血圧の順に記  録する。(10)下肢の脈拍・血圧測定1)足背動脈の触診□ 仰臥位になってもらう。□ 長母趾伸筋腱を確認する。母趾をやや背屈させるとわかりやすい。□ 長母趾伸筋腱のやや外側に示指と中指、または、中指と環指の指先を軽く当  てて、足背動脈の拍動を触知する。□ 両側の足背動脈を同時に触診し、左右差を確認する。  (注)健常者でも足背動脈は触れにくいことがある。2)後脛骨動脈の触診□ 仰臥位になってもらう。□ 内果の背側やや下方に沿うように示指と中指、または中指と環指の指先を強  く当てて、拍動を触知する。□ 両側の後脛骨動脈を同時に触診し、左右差を確認する。3)膝窩動脈の触診□ 仰臥位になってもらう。□ 一方の膝関節を軽く曲げた状態にして両手で保持する。□ 両手で包み込むように、母指は膝蓋骨の前面に置き、示指~環指(または~  小指)は指先を合わせる形で膝窩に深く入れる。通常は示指、中指の指先で  拍動を触知する。□ 両側を触診し、左右差を確認する。4)*大腿動脈の触診□ 仰臥位になってもらう。□ 羞恥心に配慮しつつ、鼠径部を露出してもらう。□ 上前腸骨棘と恥骨結合の中点付近の鼠径靱帯の下方にて、示指と中指、また  は、中指と環指の指先で拍動を触知する。□ 両側を触診し、左右差を確認する。5)*触診法による下肢の血圧測定□ 仰臥位になってもらう。□ 後脛骨動脈を触診する。足背動脈でも良い。□ マンシェットの下端が内果の直上にあるように巻く。□ マンシェットは指が1-2本入る程度のきつさで巻く。□ 触診法による上肢の血圧測定と同じ手順で、血圧を測定する。□ 上肢と下肢の血圧からAnkle-Brachial Index〈ABI〉を計算する。6)*聴診法による大腿の血圧測定□ 腹臥位になってもらう。□ 膝窩動脈の走行を確認する。□ 大腿用マンシェットをゴム嚢中央が大腿後面で大腿の下1/3が覆われるように  巻く。□ 聴診法による上肢の血圧測定と同じ手順で、膝窩動脈に聴診器を当て、血圧  を測定する。(11)下肢の観察1)下腿・足背の浮腫□ 両側の足背部ないしは脛骨前面で浮腫の有無を見る。□ 母指または示指~環指の指腹で5秒以上(約10秒)圧迫し、圧痕の有無を観察  する。圧痕があれば浮腫(pitting edema)ありとする。□ *圧痕の深さにより1~4度に分類する。23/8476767676

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