共用試験ガイドブック第18版
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教員・学生配布資料公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構Ⅴ.頭頸部(1)診察時の配慮「Ⅱ.医療面接および身体診察、手技に関する共通の学修・評価項目」を参照。(2)医療安全□ 頭頸部の診察を行うことを事前に説明し同意を得る。□ 高齢者や日常生活動作〈ADL〉に支障のある方、意識障害、認知症、視力や聴  力の障害がある患者さんに対し転倒予防など適切な対応をする。□ 耳鏡、鼻鏡、舌圧子、ペンライト、音叉などは患者さんに外傷や苦痛を与え  ないよう正しく使用する。□ 耳鏡のスペキュラ、鼻鏡、舌圧子など患者さんに使用した器具は適切に処理  をする。(3)頭頸部の診察1)頭□ 顔・顔貌を観察する。顔色、表情および左右差、浮腫(特に眼瞼、眼瞼周囲)、  皮疹など。□ 頭髪を観察する。脱毛、頭髪の色調など。□ 頭皮を観察する。頭髪を掻き分けて頭皮全体を観察する。皮疹、腫瘤など。□ 頭皮・頭蓋を触診する。変形、腫瘤、圧痛など。2)眼□ 眼瞼結膜を観察する。指で下眼瞼を押し下げて眼瞼結膜を露出させ観察する。  充血、浮腫、貧血など。□ 眼球結膜を観察する。指で下眼瞼を押し下げ上方視してもらう、または上眼  瞼を押さえて下方視してもらうなどの方法で、角膜の上または下の眼球結膜  を観察する。充血、黄染、出血など。□ 眼球突出を観察する。眼球突出が疑われる場合は、両側方または後上方から  確認する。□ 瞳孔、虹彩を観察する。左右差および色・形、水晶体の混濁など。□ 視野を検査する。(「Ⅷ.神経」を参照。)□ 眼球運動を検査する。(「Ⅷ.神経」を参照。)□ 対光反射を検査する。(「Ⅷ.神経」を参照。)□ 眼底を検査する。(「Ⅷ.神経」を参照。)□ 必ず両側を診察する。3)耳□ 耳介およびその周囲を観察する。変形、結節、皮疹など。□ *耳介およびその周囲を触診する。耳介の牽引による痛み、耳介前後部の圧  痛を確認する。□ *聴力を検査する。(「Ⅷ.神経」を参照。)  聴力に異常がある場合、音叉を用いWeber試験、Rinne試験を行う。 □ 耳介を後上方に引いて外耳道入口部を観察する。□ 耳鏡にスペキュラを装着して、横から覗きながら外耳道内へ耳鏡の先端を挿  入する。□ 安全確保のため耳鏡を保持している手の一部を患者さんの頭部に当てて固定  し、耳鏡を覗きながら痛みを生じないように注意深く先端を進める。□ 耳鏡で外耳道・鼓膜を観察する。発赤、腫脹など。(注)耳鏡の挿入による外耳道への傷害を起こさないように十分に配慮する。臨   床実習前にはシミュレータを用いて学習し、臨床実習では指導医の指導の   もとで行う。□ 必ず両側を診察する。4)鼻・副鼻腔□ 鼻の全体の形状、皮膚の所見を観察する。変形、皮疹など。□ 副鼻腔(上顎洞・前頭洞)の圧痛、叩打痛を確認する。□ *片方ずつ鼻翼を圧迫して鼻孔を塞ぎ、呼気または吸気で通気を確認する方  法や、金属板の曇りを確認する方法などにより鼻閉塞の有無を確認する。25/8478787878

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