共用試験ガイドブック第18版
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教員・学生配布資料公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構   状況に応じ座位で行う。1)視診□心尖拍動を確認する。□胸壁拍動を確認する。右室隆起による胸骨下部および傍胸骨拍動、大動脈瘤による拍動など。(注)心尖拍動は左側臥位で確認しやすい。2)触診□心尖拍動の位置と広がりを第5肋間左鎖骨中線付近で指先と手掌で確認する。□前胸部(胸骨下部および傍胸骨)の胸壁拍動を手掌近位部で確認する。□振戦(スリル)の有無を手掌遠位部で心臓聴診の4領域に相当する範囲において確認する。(注)心尖拍動は左側臥位で触れやすい。3)聴診□大動脈弁領域(第2肋間胸骨右縁)・肺動脈弁領域(第2肋間胸骨左縁)・三尖弁領域(第4,5肋間胸骨左縁)・心尖部(第5肋間左鎖骨中線)の4領域を膜型で聴診する。(注)4領域と表現しているが、各弁に相当するものではない。聴診は心基部から   心尖部に向かっても、心尖部から心基部に向かって聴診しても良い。なお、   聴診部位として4領域の他に第3肋間胸骨左縁Erbの領域も重要である。□心尖部はベル型でも聴診する。(注)臥位で診察するときは、仰臥位で4領域を聴取したあと、左側臥位で心尖部   をベル型で聴取する。4)心音□Ⅰ音とⅡ音を同定する。□Ⅱ音の分裂を確認する。□ベル型でⅢ音、Ⅳ音を確認する。(注)Ⅲ音、Ⅳ音は左側臥位でよく聞こえる。5)心雑音□収縮期雑音か拡張期雑音か(時相)を区別する。□*最強点と放散方向を確認する。□*強度(Levine分類)と音調(高調性か低調性か)を確認する。(8)呼吸「Ⅳ.全身状態とバイタルサイン」を参照。(9)肺(前胸部)1)視診□鎖骨上窩・肋間の吸気時の陥凹の有無を確認する。□呼吸時の胸壁運動の左右差の有無を確認する。2)打診□左(右)手を広げ、その中指の中節骨部またはDIP関節部を、曲げた右(左)中指で手首のスナップを効かせて弾むように原則として2回ずつ叩き、打診する。□肺尖・側胸部・胸郭下端を含む胸部全体(8か所以上)を打診する。29/8482828282

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