共用試験ガイドブック第18版
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教員・学生配布資料公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構5)*鼠径部の診察□ 鼠径部では色調変化、腫瘤(ヘルニア、リンパ節腫脹など)の有無を視診、  触診により確認する。□ 鼠径ヘルニアの診察は、立位でも行う。可能なら息を止めて下腹部に力を入  れてもらう。仰臥位にして、腫瘤が腹腔内に自然に戻るかを確認する。□ リンパ節腫脹がある場合、数、部位、大きさ、形状・集簇性、表面の性状、  硬さ、圧痛、可動性を両側で触診により観察する。□ 大腿動脈の触診を行う(「Ⅳ.全身状態とバイタルサイン」を参照)。6)*直腸診(注)臨床実習前にはシミュレータを用いて学習し、臨床実習では指導医の指導   のもとで行う。□ 直腸診の目的を患者さんに説明する。□ 直腸診の方法の概略を患者さんに説明する。□ 患者さんが直腸診の内容を理解したことを確認し、実施の承諾を得る。□ 看護師(または他の医療職)が陪席していることを確認する。□ 患者さんに適切な診察体位(左側臥位または切石位)になってもらう。□ 直腸診に必要な部位以外はバスタオルで覆う。□ 両手もしくは右(左)手に処置用手袋をたるみなく着用する。□ 肛門部の自発痛の有無を尋ね、あれば部位および性状を聞く。□ 肛門周囲を視診する。発赤・ただれ・潰瘍・瘻孔・脱肛・結節・痔核など。□ 肛門周囲を触診することを患者さんに説明する。□ 肛門周囲を触診する。熱感・波動・硬結・圧痛など。□ 肛門内指診を行うことを患者さんに説明する。□ 適量の潤滑剤を手袋の示指に塗布する。□ 肛門内指診を適切に行う。 ➢優しく右(左)手の示指を挿入する。 ➢狭窄・弛緩・硬結・圧痛などの有無を判断する。□ 直腸内指診を適切に行う。 ➢十分深部に示指を進め、直腸粘膜の全周を触診する。 ➢狭窄・腫瘤・結節・圧痛、直腸周囲(前立腺や子宮頸部など)の病変の有無を  判断する。□ 示指を静かに引き抜き、指先に付着した便の性状を観察する。□ 肛門周囲を清拭する。□ 糞便、体液による汚染防止に留意し、使用後の用具は感染性廃棄物入れに廃  棄する。学生が臨床実習中に学修し卒業時には身につけておくべきだが、臨床実習開始前には備わっていなくてもよいと判断した項目には*を付記した。ただし卒業時に身につけておくべき技能と態度のすべてを網羅しているわけではない。35/8488888888

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