共用試験ガイドブック第18版
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教員・学生配布資料公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構□指標が患者さんの眼に近すぎないように注意する(眼前50cm程度)。□指標はゆっくりと円滑に動かす。□左右・上下4方向への動きを検査し、複視の有無を尋ねる。□この時、4方向の最終地点で指標の動きを止め、眼振の有無を観察する。(注)必要に応じて右上、右下、左上、左下を追加し、正面とで計9方向を検査   する。4)*輻輳と近見反射□患者さんの眼前50cm のあたりに示指をかざし、指先を見ているよう指示する。□患者さんの眼前15cm 位まで指先をゆっくり近づけて、両側眼球の内転、瞳孔の収縮を観察する。5)瞼裂・瞳孔/対光反射□患者さんの前方を手で示しながら、遠くを見ているよう指示する。□瞼裂を観察する。眼瞼下垂、左右差の有無など。□瞳孔の形・大きさを観察する。正円かどうか、縮瞳・散瞳・瞳孔不同の有無。□ペンライトを見せながら、光で眼を照らすことを患者さんに告げる。□患者さんの視線の外(そと)側からペンライトを移動させ、瞳孔に光を当てる。□光を当てた側の瞳孔(直接対光反射)と反対側の瞳孔(間接対光反射)の収縮を観察する。□必ず両側を検査する。(注)瞳孔を観察しにくい場合は、部屋の照度を落とすなどの工夫をする。6)眼底□眼底鏡を見せながら、眼の奥を見る検査(眼底検査)を行うことを告げる。□眼を動かさず前方を見ていてほしいことを告げる。□患者さんの右眼は検者の右眼で、左眼は検者の左眼で検査する。□検者の空いた手で患者さんの頭部を支える。□眼底鏡が患者さんと離れすぎないようにする(5cm以内)。□*乳頭を観察する。萎縮、浮腫など。□*網膜を観察する。出血など。□*動静脈を観察する。径、交叉など。□必ず両側を検査する。(注)仰臥位で患者の頭側から検査する場合には、患者と検者の顔が重ならない   ようにする。(注)眼底を観察しにくい場合は、部屋の照度を落とすなどの工夫をする。7)顔面の感覚□検査器具を見せながら、顔の触覚を検査することを告げる。□三叉神経の3枝の各領域を適切に区別して検査する。□領域毎に左右差の有無と領域間の差の有無を確認する。□*痛覚についても同様に検査する。8)*角膜反射□ティッシュペーパーか乾いた脱脂綿の先端を細くよじる。□検者の指を注視させて視線をややそらす。□角膜の虹彩部分(茶目の部分)をよじった細い先端で軽くふれ、瞬目を観察する。□必ず両側を検査する。9)*咬筋と側頭筋□咀嚼運動を繰り返してほしい旨を告げる。□左右の咬筋を手指の手掌面で触れて筋収縮を確認する。□左右の側頭筋を手指の手掌面で触れて筋収縮を確認する。10)顔面筋□上方への眼球運動などにより額にしわ寄せをしてもらい、しわの出現の程度、左右差を観察する。□両眼をギューッと固く閉じてもらい、まつげ徴候の有無を観察する。□眼を開けてもらった後、見本を示しながら、歯を見せて「イー」と言ってもらい、口角の偏倚、鼻唇溝の左右差などを観察する。(注)前髪が観察の支障にならないように工夫する。(注)口を固く閉じてもらってもよい。37/8490909090

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