共用試験ガイドブック第18版
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91教員・学生配布資料公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構11)*聴力□指こすり、音叉などの音源を耳元に近づけ、聴力を評価する。□検者の聴力を基準として、患者さんの聴力を確認する(指こすりの場合は、最初に検者の耳で指こすりの音を確認し、次にその音を患者さんが聞き取れるか確認する。音叉の場合は、患者さんが聞こえなくなった時点で素早く検者の聴力と比較する)。□聴力に異常がある場合、音叉を用いWeber試験、Rinne試験を行う。(注)指こすり、音叉などの音を、左右の耳から同じ距離で聞いてもらい、聞こ   え方に左右差があるかを尋ねる方法も行われる。12)軟口蓋・咽頭後壁の動き□口を大きく開けてもらい、舌圧子とペンライトを使用し、軟口蓋・咽頭後壁を観察する。□「アー」と少し長く声を出してもらい、軟口蓋の動き、偏倚の有無、カーテン徴候の有無を観察する。□舌圧子は清潔に操作し、使用後は感染性廃棄物として適切に処理する。13)舌□舌を観察することを告げ、口を大きく開けてもらい、舌の萎縮と線維束性収縮の有無を観察する。□検者が見本を示した上で、 舌をまっすぐに出してもらい、 舌の偏倚の有無を観察する。14)胸鎖乳突筋□頸部の筋肉の検査を行うことを告げ、手で方向を示しながら、側方を向いてもらう。□顎に手を当てることを告げ、患者さんの顔を向けた側の顎に検者の手掌をあてがい、反対側の手を肩に置く。□検者の手で顎を引き戻すので、負けないように頑張って力を入れてほしいことを告げる。□胸鎖乳突筋の筋力を判定する。□反対側の手で収縮した胸鎖乳突筋を触診する。□必ず両側を検査する。(5)上肢の運動系の診察(座位)1)上半身の不随意運動□手を膝に置いてゆったりと座ってもらう。□安静時の振戦、その他の不随意運動(頭部の振戦、舞踏運動など)の有無を観察する。□両上肢を前方に伸ばし、手掌を下に向けて指を少し広げてもらい、手指の姿勢時振戦の有無を観察する。□指を広げたままで手首を背屈してもらい、固定姿勢保持困難(asterixis)の有無を観察する。38/84919191

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