共用試験ガイドブック第18版
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教員・学生配布資料公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構2)つぎ足歩行□検者が、足の先と踵が交互につくようにしながら、 一直線上を歩く動作を見本として示し、そのように歩いてもらう。□歩行の異常(ふらつき、よろめきなど)の有無を観察する。□危険のないよう、患者さんの近くにいて見守る。(注)踵(かかと)歩行、つま先歩行、しゃがみ立ちは下肢筋力のスクリーニン   グに役立つ。3)Romberg試験□検者が、踵とつま先をそろえて立つ姿勢を見本として示し、そのように立ってもらう。□開眼のままで、体が動揺しないか、しばらく観察する。□そばにいて支えるので、体がふらついても心配がないことを説明した上で、患者さんに眼を閉じてもらう。□閉眼による体の大きな動揺がないかしばらく観察して、Romberg 徴候の有無を判定する。□危険のないよう、患者さんのそばにいて見守る(いつでも抱えられる体勢)。(8)下肢の運動系の診察(仰臥位)1)体位や衣服の準備□仰臥位での診察を行うことを説明する。□靴下を脱いで、診察ベッドに寝てもらう。2)*Barré徴候(下肢)□腹臥位で行う。□検者の手を添えて、良い肢位をガイドしながら、両膝関節を 90°に曲げてもらう。□そのまま両足が接しないように膝を曲げた状態を維持してもらう。□下肢の下降の有無を判定する。(注)下腿を水平から45°挙上し、保持してもらってもよい。3)踵膝試験□手で患者さんの下肢を持ち、次のようにガイドする。足関節を少し背屈した状態で、踵を適度な高さから反対側の膝に正確にのせて、すねに沿って足首までまっすぐ踵をすべらせる。□患者さんが理解したところで、実際にこの動作を2、3回行ってもらい、運動の円滑さ、足のゆれや測定異常の有無などを観察する。□必ず両側を検査する。(注)同様の検査が様々な名称、手技で行われているので、必ずしも上記の方法   と同一である必要はない。(注)膝叩き試験を追加してもよい。4)*筋トーヌス(膝関節)□検者が患者さんの下肢を動かすが、患者さんは力を抜いたままで、自分では下肢を動かさないようにしてほしい旨を伝える。□左手を患者さんの大腿遠位部に当て、右手で患者さんの足首を持って膝関節の屈曲伸展を適切なスピードで繰り返す。□筋トーヌスの異常の有無(筋強剛、痙縮)を判定する。□必ず両側を検査する。(注)筋トーヌスは足関節の底屈・背屈でも評価できる。 5)*下肢・体幹の視診□下肢等を露出してもらい、下肢・体幹の筋萎縮、線維束性収縮の有無を観察する。(9)下肢の徒手筋力テスト(仰臥位)(注)重力の負荷を考慮して筋力を評価するためには、腸腰筋、大腿四頭筋、前   脛骨筋は坐位、下腿三頭筋は立位、大腿屈筋群は腹臥位でそれぞれ行う。41/8494949494

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