共用試験ガイドブック第18版
97/278

95教員・学生配布資料公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構1)腸腰筋□ 検者が股関節を屈曲するように見本を示し、患者さんの大腿部が腹部につく  ような方向に股関節を屈曲してもらう(膝は曲げたまま)。□ 股関節の屈曲を戻すので、それに負けないよう頑張ってほしい旨を伝える。□ 大腿前面に手を当て、股関節が伸展する方向に力を加えて、抵抗する筋力を  判定する。□ 必ず両側を検査する。2)*大腿四頭筋□ 検者が膝関節をまっすぐ伸ばすように見本を示し、そのようにまねてもらう。□ 膝関節を屈曲するので、それに負けないよう頑張ってほしい旨を伝える。□ 大腿部を左手で下から支え、右手で足関節の近位部を上から握り、膝関節を  屈曲して抵抗する筋力を判定する。□ 必ず両側を検査する。3)*大腿屈筋群□ 検者が見本を示し、膝関節を最大屈曲してもらう。□ 患者さんの下腿遠位部を右手で握る。□ 膝関節を伸展するので、それに負けないよう頑張ってほしい旨を伝える。□ 下肢を伸展するように引っ張り、抵抗する筋力を判定する。□ 必ず両側を検査する。4)前脛骨筋□ 検者が手関節を背屈して見本を示し、足関節を背屈してもらう。□ 足関節を底屈するので、それに負けないよう頑張ってほしい旨を伝える。□ 患者さんの足背に手を当てがい、足関節を底屈し抵抗する筋力を判定する。□ 必ず両側を検査する。5)*下腿三頭筋□ 検者が手関節を掌屈して見本を示し、足関節を底屈してもらう。□ 足関節を背屈するので、それに負けないよう頑張ってほしい旨を伝える。□ 患者さんの足底に手を当てがい、足関節を背屈し抵抗する筋力を判定する。□ 必ず両側を検査する。6)*下腿三頭筋(立位での方法)□ 検者が片足立ちになって踵を最大に浮かせる見本を示す。手を壁について支  えてもよい。□ 患者さんも踵を最大に浮かせる運動を繰り返してほしい旨を伝える。□ 踵が十分に上がっていることを確認し筋力を判定する。□ 必ず両側を検査する。(10)感覚系の診察(仰臥位)1)四肢の触覚と痛覚□ 検査具を見せて四肢の触覚を検査することを告げる。□ 左右の前腕・下腿などに触覚刺激を加え、触覚を普通に感じるかどうか、左  右差および上下肢での差がないかどうかを確認する。必要があれば同一肢の  近位部と遠位部に差がないかどうかも確認する。□ *痛覚についても同様に検査する。(注)表在感覚の検査具としては、従来、筆やルーレットが用いられてきたが、   皮膚の損傷や感染予防の観点から触覚検査にはティッシュペーパー、痛覚   検査には楊枝の先端など、ディスポーザブルなものを使用する。(注)病歴から感覚障害などが疑われる場合には、必要に応じて、同一肢の近位   部と遠位部での差、末梢神経支配や髄節支配を念頭においた検査を行う。2)*下肢の振動覚□ 音叉を見せて、これを振動させて検査することを伝える。□ 音叉に強い振動を与え、患者さんの胸骨や手背などで、振動の感じを体験し  てもらう。□ 振動を感じたことを確認した後、音叉を叩き、患者さんの内果などに押し当  てる。42/84959595

元のページ  ../index.html#97

このブックを見る