共用試験ガイドブック第18版
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教員・学生配布資料公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構□ 音叉の振動は徐々に弱まって消失することを説明して、振動を感じなくなっ  たら「はい」と言うなど合図するように伝える。□ 合図があった時点で、 検者の手に感じる振動の大小で、 振動覚障害の有無  を判定する。□ 必ず両側を検査する。3)*下肢の位置感覚(位置覚)□ 趾の位置の感覚の検査(足の趾が上か下かどちらに動いたかを当ててもらう  検査)を行う旨を説明する。□ 患者さんに閉眼してもらう。□ 検者の左手で患者さんの母趾を第2趾と離れるように拡げ、右母指と示指で患  者さんの母趾の側面をつまみ、水平位から上または下に動かし、どちらに動  いたか答えてもらう(第2趾で行ってもよい)。□ 動かす時には、これから動かすことを患者さんに告げる。□ 位置感覚(位置覚)異常の有無を判定する。□ 必ず両側を検査する。(11)反射の診察(仰臥位)(注)反射の診察法には様々な方法があり、ここでは代表的なものを示した。1)衣服の準備と検査法の原則□ ハンマーを見せながら、これで顎や手足を軽く叩く反射の検査を行うことを  説明する。□ 上肢は肘の上まで、下肢は膝の上まで露出するよう説明する。□ 肩や手足の力を抜いて、リラックスするよう告げる。□ ハンマーを握りしめず、バランスのよい部分を持つ。□ 手首のスナップを効かせて、適切なスピードで滑らかにハンマーを振る。□ 正常、低下、消失、亢進などの評価と左右差の有無を判定する。2)下顎反射□ 口を半分くらい開けて、楽にしてもらう。□ 患者さんの下顎の真ん中に検者の左示指の指先掌側を水平にあてがう。□ 検者の指のDIP関節付近をハンマーで叩く。3)上腕二頭筋反射□ 検者がガイドしつつ、両上肢を軽く外転し、肘を曲げて両手がお腹の上に乗  るような肢位などをとってもらう。□ 肘関節の屈側で上腕二頭筋の腱を検者の左母指または示指の掌側で押さえ、  指をハンマーで叩く。□ 必ず両側を検査する。4)上腕三頭筋反射□ 検者がガイドしつつ、肘関節を約90゜屈曲し、前腕屈側が腹部に乗るような  肢位などをとってもらう。□ 肘関節の約3cm近位部の伸側をハンマーで叩く。□ 必ず両側を検査する。5)*橈骨反射(腕橈骨筋反射)□ 検者がガイドしつつ、両上肢を軽く外転し、肘を曲げて手掌が腹部に乗るよ  うな肢位などをとってもらう。□ 手関節の2~3cm近位部で、腕橈骨筋が伸展する方向に橈骨遠位端をハンマー  で叩く。□ 必ず両側を検査する。(注)手関節近位部に検者の指をのせて、これをハンマーで叩いてもよい。6)膝蓋腱反射□ 膝関節が120~150゜の角度となるように、両膝窩を左腕で下から軽く支える。□ 膝蓋腱を手指で確認し、その部位をハンマーで叩く。□ 必ず両側を検査する。7)アキレス腱反射□ 下肢を軽く外転して膝関節を軽く曲げる肢位、下肢を膝関節で軽く曲げて対  側下肢の下腿前面に乗せる肢位、片膝を立てて膝を組む肢位などをとっても  らう。□ 足を左手で持ち、足関節を背屈した位置にして、アキレス腱をハンマーで叩  く。43/8496969696

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