共用試験ガイドブック第18版
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97教員・学生配布資料公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構□ この際、患者さんの足関節を2、3回屈伸し、力が抜けていることを確認する。□ 必ず両側を検査する。8)*Hoffmann反射□ 検者の左母指と示指または中指で、患者さんの中指のつけねを手背側から包  むように持ち、手関節をやや背屈させる。□ 検者の右示指と中指DIP関節付近で患者さんの中指をはさみ、検者の母指の掌  側を患者さんの中指の爪に当て、下方に向かって弾くように刺激する。□ 母指が屈曲するかどうかを観察する。□ 必ず両側を検査する。9)*Trömner反射□ 患者さんの手を軽く背屈させ、検者は左手で患者さんの中指のつけねを支え  る。□ 検者の右示指あるいは中指で、患者さんの中指の手掌側先端を強くはじく。□ 母指が屈曲するかどうかを観察する。□ 必ず両側を検査する。10)Babinski徴候(反射)□ 検査具を見せ、足の裏をこすることを説明する。□ 患者さんの足を左手で固定して、足底の外側を踵から上にゆっくりと小趾の  つけね付近までこする。さらに内側に向けて曲げてもよいが、母趾のつけね  まではこすらない。□ 母趾の背屈がみられるかどうかを観察する。□ 必ず両側を検査する。(注)Babinski徴候の検査具には、従来、ハンマーの柄などが用いられてきたが、   皮膚の損傷や感染予防の観点から楊枝の頭部など、ディスポーザブルなも   のを使用する。11)*Chaddock反射□ 患者さんの足の外果の下を後ろから前へ検査具(Babinski徴候に用いたもの)  でこする。□ 母趾の背屈がみられるかどうかを観察する。□ 必ず両側を検査する。(12)髄膜刺激徴候の診察(仰臥位)1)項部硬直□ 首の硬さを検査することを告げ、枕を外す。□ 頭部に触ることを告げ、患者さんの後頭部を両手でかかえる。□ 検者が患者さんの頭を動かすので、自分では首を曲げたり頭を動かしたりし  ないように説明する。□ はじめに左右に回してみて力が入っていないことを確認した後、ゆっくりと  頭部を前屈させ、項部硬直の有無を判定する。(注)患者さん自身に、顎が胸につくように頭部を前屈してもらい、髄膜刺激徴   候の有無を検査する方法もある(Neck flexion test)。この方法は坐位で   も仰臥位でも行える。2)*Kernig徴候□ 足を曲げた位置から膝の裏側を伸ばす検査を行う旨を説明する。□ 検者の手でガイドしながら、患者さんの片側の股関節を90゜屈曲してもらい、  さらに膝関節も90゜屈曲してもらう。□ 膝関節近位部の大腿伸側を左手でつかみ、右手で踵を下から押し上げて膝関  節を135゜までゆっくりと伸展させていき、伸展制限の有無を判定する。□ 両側とも検査する。44/84979797

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